厳しい介護現場で戦っている仲間たちへ

24時間365日介護をし続ける現場から離れてほぼ一年が過ぎた。

でもその6年半のキャリアは今の介護を支えてくれている。というよりは関わったすべてのご利用者から得られたものが、私を支えていると言ってもいい。
給料も出ないかも知れない、休みも取れないかも知れない。でもあなたの前には助けを必要としているご利用者様がいる。その方に自分が何ができるのか。そして何ができたのか。何ができなかったのか?
つまるところそれだけだったりする。職場の評価も、同僚の視線も何も関係ない。それを強く持てるかどうかで、介護の仕事を続けられるかどうかが決まる。現場を離れた人間には何も関係ない。上司であろうが、管理職であろうが、同じことである。あなたのケアだけが、あなた自身と、あなたの前にいるご利用者様を支えているのだ。

あなたの誠意にも関わらず、罵詈雑言を浴びることもあるだろう。でもそれは恐怖から来る悲鳴だ。よく観察して自分と相手の安全確保をして落ち着かせればいい。最低限自分の身を守ること。何に恐怖を感じているのかがわかれば、対処の道筋が見えてくる。

そこを乗り越えれば、そのご利用者様との信頼関係を一歩進めることができる。これは同僚や上司でも同じだ。だって同じ人間だもの。

待遇や体力的な問題から、介護現場を離れる時というのは必ず来ます。どんなに信頼関係ができたご利用者様であっても、それは同じ。たった今行った何気ないケアが最後になることだってあります。そう思うといい加減なケアはできないのではないかと思う。

無茶苦茶な業務量を押し付けられ、安全確保、生命維持が精一杯という現場であっても、問われるのは自分自身のケアであり、それだけが自分を支えてくれるし、活路を開くきっかけになるんです。だから1つだけでもいい。誰も見てなくてもいい。えこひいきでもいい。そのご利用者様を笑顔にしてあげて下さい。すべてはそこから始まります。

すべてはあなたの手のなかにあります。楽しいケアをつかみとるのはあなた自身です。