プロの仕事は身近にある。

ふとみあげるとそこにプロの仕事があった。

何気ない電柱に見えるかもしれないが、これはプロの仕事だ。当たり前に電気やインターネットができるのは、日本中にこんなプロの仕事が結果を出しているからだ。こんな電柱は日本中に無数にあると思う。日本に住んでいる人が当たり前に電気を使えて、当たり前にインターネットを使えるのも、こういうプロの仕事があるからだ。
もちろん、こういうふうに線を這わせるべき、というマニュアルがあって、それにのっとってやっていることは間違いないのだが、現場は千差万別である。24時間、365日、一定の期間、風雨や暑さ寒さに耐えて機能し続けなければいけない。電柱の一本一本の距離でも長さは違うし、きちんと規格にあったやり方をしないとたちまち断線をしてしまう。やり方を間違ったら付近一帯停電になる。はしごを登ってたどり着いた世界は、プロフェッショナルの世界なのだ。
誰も当たり前だと思っているので、気にもとめないのだが、たしかにそこには本物の仕事がある。電気、ガス、水道といったインフラ整備はそういうものだ。できて当たり前。そういう仕事も世の中にはある。
自動車整備もそうだ。キーをひねって、エンジンかかるのが当たり前。これもしっかりとした整備を日々行なってくれている人たちのおかげなのだ。それ以前になるべく壊れないような設計をしているのだけれど、使い方次第では持ちもするし、すぐ壊れることもある。そういうノウハウは、だいぶ失われているなぁとも思う。
海外へ行くと電化製品がすぐ壊れるそうである。日本の安定した電源を前提に設計されている電化製品が、しょっちゅう停電する国に行けば、あっさり壊れてしまうだろう。瞬停といって、ほんの僅かな時間の停電を繰り返すようなことがあると、ハイテク機器は致命的なダメージを受ける。そうなると自分で電源を持つしかない。バッテリ駆動であれば、瞬停をある程度カバーすることができるけれど、いつもバッテリを持ち歩くのは大変だと思う。
このようにインフラの品質は、日々の生活に大変な影響があるのだ。どこでも精密な電子機器が機能するということが、いかに素晴らしいことかは、日本からでないとなかなかわからないことである。それを支えているのが、プロフェッショナルの仕事なのだ。それにたいしては相応の敬意を払うべきだろう。

プロの仕事は、いつも静かに結果を出し続けている。