介護休暇にしろ、育児休暇にしろ、特に男性の取得率が低いのは、仕事を離れて休暇をとれば、それは即座にマイナス評価になり、ひどい場合はそのまま事実上解雇に追い込まれる。仕事を離れた人間はクビ。しかも自己都合で放り出される。これが日本の会社の現状だ。
「働かざる者食うべからず」 「ノーワークノーペイ」
という言葉しかない。だから、仕事を休むことは許されない。こんな意味不明なルールがある限り、育児休暇も介護休暇も有給休暇も取得が進むことはないだろう。
介護や育児をしっかりこなしても、それは全く会社においては評価されないのだ。ほとんどの会社において、その日暮らしの利益しか考えていないことが、休暇をとれない最大の原因である。
少し考えてみればわかるが、次の世代が育っていかなければ、社会は存続し得ない。それをやらないで、利益だけ確保しようとするのはただ乗りのフリーライダーでしかない。子育てにしろ、介護にしろ、そういう側面を持っている。
休暇がとれない職場というのは結局、目の前のことしか考えていない職場であるといってまず間違いない。有給であろうと無給であろうと。
休めば、評価が下がる仕組みを変えない限り、育児休暇や介護休暇の取得は増えていかないと思う。
それと、労働者同士に有給休暇の調整をさせることは止めるべきだ。基本的にはすべての労働者が100%有給休暇をとることを前提に人員を配置すべきなのである。たりなくなったら一時的に有期雇用の人間を雇ってもいい。トータルで足りないのに、労働者同士で調整したところで、誰がか犠牲になるだけで、無意味なことだと思う。
休暇をとった穴を埋めた労働者を評価して給与に反映する仕組みも必要だ。いつも思うのだけれど、誰かが休んでフォローしても給料が同じって言うのはいつもおかしいと思っている。欠勤だったら丸々一日分の人件費が浮くわけだし。それを利益として計上してしまうと、どんどん労働者の作業品質は下がっていく。
とにかく人件費を削って利益を出している会社にもう未来はない。補助金だのみのゾンビ企業はさっさとつぶれるべきなのだ。
経済学者はいつも、もっともらしいことを言うが、まともに機能したためしがない。おそらく、経済学は会計学をベースにした未来予測なのかも。それだから、結果論に陥りやすいのかもしれない。未来を決めつける結果論でしかないということだ。経済学は学問と言えるかどうか怪しい。
休暇の取得には大きな経済効果があるのだが、それが日本の会社組織にとって気に食わないらしい。自分たちだけ儲かればそれでいいという考え方なのだろうと思う。やっぱり、目の前のことしか考えていないのが最大の原因だろうと思う。ひとつずつとりあえずこなすことが大事だが、わずかでも積み重ねて結果を出していくってことが必要不可欠なのに。